2012年5月13日日曜日

#007 - 1990.5.17 NHK FM Music Square

こんばんはー!布袋寅泰です。えー急に暖かくなってきましたね。
ホントにこういう季節の変わり目とかって油断しちゃってなんか風邪とかひきやすいもんですけど、みんな元気でやてますか?僕のほうはですねぇツアー始まって体中が痛くて痛くて、大体運動っていったらもう犬の散歩くらいしかしませんから、ステージにあんだけ動くっていうのは、ほとんど寝起きで100mダッシュするっつーくらいなもんですから、体にいいわけないよね、ホントに。えー終わるとそれで脱水状態になってるのでビールをガブガブ飲めちゃうしタバコもついでに吸っちゃうし興奮しちゃってなかなか寝れないし、とはいえ一年に一度みんなと会えるわけですからえー十分楽しみながら旅を続けています。

えーとこの間お送りしたライブ特集のときの反応が凄くて驚いています。産まれてこんなにお手紙貰ったのは初めてです。すごいたくさんの人からお手紙貰って。ひとつ紹介しようかな?「布袋さん、今晩は。 先週の放送どうもありがとう。BOØWYの曲は正直いって聴くのはとっても辛かった。解散して久々に聴いたBOØWYはやっぱり宇宙一でした。でも一緒に歌っているうちに涙が勝手にどんどん出てきて、あと3年早く産まれていたらよかったのにな、そしたら、もっとBOØWYが聴けたのに、そんな悔しい思いとBOØWYが活動した頃のドキドキした気持ちぐちゃぐちゃになった4曲でした。あと布袋さんの歌ってくれた歌がとても嬉しかった」と書いてきてくれました 。はい、この娘は大阪のマキさんですね。たくさんこういう手紙が来まして、なんか涙交じりの手紙がすごい多かったんだけど驚いているのと同時にやってよかったなと思ってます。また機会があったら、ああいった形で特集くんでやりたいと思っていますので、そんときはまた聴いてください。

今日はですね、なんとなくどっか変な人たちを集めて、なんか変だな?っていう人たちを集めて、みんなをフワフワと、なんていうの?平衡感覚ゼロ状態に持っていこうと思って、うちのレコード棚?CD棚か、CD棚から選んできました。長いようで短い1時間半楽しんでもらえるとうれしいです。

それではまず1曲目、完璧に海賊になりきっていた変な人たちです。アダム・アンド・ジ・アンツでスタンド・アンド・デリヴァー!

Stand And Deliver / Adam & The Ants


最近変なやつってなんか少なくなったような気がしますよね。なんか街歩いてても、派手な人とかすごい多いけど、なんていうの?内面から滲み出てくる変さ加減な人って結構街で歩いていても振り向いちゃったりするじゃないですか。なんかあんまりそういう人に出会わなくなっちゃったんだけど。 暗くて変な人と、なんか明るくて変な人って両極端なんだけど両方ともありますよね。次はちょっと暗いかな?ザ・キュアーでラヴキャッツ。

The Lovecats / The Cure


えーうちの猫もつられてニャンニャン泣いちゃった人もいるんじゃないでしょうか?ザ・キュアーでラブキャッツでした。えー猫がダメでして、猫アレルギーで、なんか猫のそばにいるとくしゃみと涙が止まらなくなっちゃって、すごい好きなんだけど 哀しいからそばによれない僕なんですけども。

次に紹介するのはトイ・ドールズってバンドで何回か来日していて僕もライブハウスまで見に行ってすごい盛り上がったことがあるんですけど、こういうバンドって、すごいライブが最高ってバンドですからね、ライブ見て体験するっていうかね体感ビートっていうか、そういうのがやっぱ一番だと思います。この間もジーザス・ジョーンズ見に行ったら、すごい良かったなあ。はじめから最後まで踊り狂ってしまいましたが。

えーと北海道の鈴木くんからなんですけども「ツアーが始まりますが、ツアー中ミュージックスクエアはどうなるのですか?札幌月寒グリーンドームのライブはちょうど木曜日ですよ?」これは生ではなく録りなんです。

とりあえず、トイ・ドールズを3曲続けて聴いてください。グレンダ・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビー、ハリー・クロス、メリー・ジ・エレファント。

Glenda and the Test Tube Baby / Toy Dolls


Harry Cross / Toy Dolls


Nellie The Elephant / Toy Dolls


このお便りは名前がないんですけれども「布袋さんはちびまる子ちゃん見てますか?この絵はその漫画に出てくる人物のひとりです」といってマルオくんが書いてあるんですけれども、ズバリそうでしょう?の人ですね。日曜日は、笑点、ちびまる子ちゃん、サザエさんと一応黄金の方程式にいつもはまってます。5時からビールの布袋さんと一応うちでは呼ばれているんで5時からビール飲みながら見ています。次に紹介するのは、ちびまる子ちゃん感覚のひとたちを2組。えーファイン・ヤング・カニバルズでアイム・ノット・ザ・マン・アイ・ユーズとアンビシャス・ラヴァーズでコピー・ミー。

I'm Not The Man I Used To Be / Fine Young Cannibals


Copy Me / Ambitious Lovers


だんだん暖かくなってきますよね。もうすぐ夏ですよね。夏はねー痩せてるからTシャツとか全然似合わないんで全然着るものがないんだよね。なんかスーツでビシっとしてるのもなんか文字通りやせ我慢してみるみたいだし。冬の方がどっちかっていうと好きだな。なんかすーっとしてる空気もなんか澄んでる感じもするし、でも 冬になると夏のがいいなとか言ったりするんですけど。あぁーーーーなんか半ズボンで麦藁帽子かぶって夕焼け眺めてたあの頃に帰りたいなー、うーん、蛙の声きいてね。ゴルチエさん、おしゃれな麦藁帽子作ってください。

最近ハウスとボディ・ビートに最近ハマっていますんでゴルチエさんとフロント242をかけます。ジャン・ポール・ゴルチエでテクニック・アイディア、フロント242でアンティル・デス。

Technique Idea / Jean Paul Gaultier

Until Death / Front 242


えー次に紹介するのはですね山木秀夫さんっていって日本のドラマーなんですけれど最近は近藤等則 & IMAっていうバンドを中心に活動していますがホント世界に出て行っても絶対に負けないテクニックとパワーを持った人です。山下久美子のPOPとかCOMPLEXのROMANTIC1990でもたたいてもらったんですけれども、こないだ川崎のクラブチッタでARBの浅田さんと僕と3人でライブやったんですけど、気持ちよかったなー。スタジオミュージシャンとしても凄い一流の人なのできっとみんなもどっかで 彼のドラムを耳にしてると思います。そんな山ちゃんが初めてつくったソロ・アルバム「テンテレツク」ってアルバムから1曲聴いてください。吉田美奈子さんの歌がすごいとってもよい味を出しています。山木秀夫さんでルーパー。

LOOPER / Hideo Yamaki


愛知県のサッカジュンコさんからのお便りで「どうもはじめましてこんばんは、布袋さん(こんばんは)毎週楽しく聴いています。(ありがとうございます) 布袋さんのボワンとした声を聴くと私はいつも往年のラジオ番組サウンドストリートの火曜DJの坂本龍一氏の声を思い出します。坂本さんもこんなボワンとした感じの声でした。そうそう坂本さんが、ストレスやコンプレックスのない人は声帯が圧迫されないからボワンとした声を出すって言っていましたっけ。 布袋さんもそうなんですか?」そうかもしんないです、はい。でも 声ってね、まー自分の声はさておいといて、すごいやっぱ自分だけのものでしょ?なんか歌う人とかって、うん、その自分の声のキャラクターでなんかすぐ、あっこの人だってわかっちゃうんだもんね。声って大切なんですね。えー僕の凄い好きな声の人なんですけどもスパークスのラッセル・メイル って人は高い声なんですけど、すごい綺麗で澄んだ声で、うーん、そこがまた変な感じを醸し出すんですけども、その人を聴いてください。スパークスでドレミ。

Do Re Mi / Sparks


変なのー変なバンド!やっぱりスパークスは変だな、なんか。次に紹介するのはフランスのリタ・ミツコっていうバンドなんですけれども、この曲にもスパークスの今歌ってたラッセル・メイルが歌っているんで、もう1曲ラッセル・メイルの声を聴いてください。リタ・ミツコでヒップ・キット。

Hip Kit / Les Rita Mitsouko


最近どのバンドがお気に入り?って聴かれたら僕はゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツと答えます。えーすっごくね、なんちゅうの?色んなジャンルの音楽的要素が詰まっていて退屈しないんだよね。ずーっとなんか退屈しないで聴ける、どことなくぽわ~んとしていて気持ちよくなっちゃうんだよね、なんか昼寝したくなっちゃうような音です。うん。この人たちの作品はどれもホントにハズレがないので興味がある人は是非聴いてみてください。学校でゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツが流行ったりしたら不気味ですけど。

今夜のマイ・カウントダウンは、そんな彼らの曲の中から
超ボクの趣味で3曲選んできました。えー3曲続けて聴いてください。ライ・スティル・リトゥル・ボトル、ザ・ワーツルズ・アドレス、そしてホット・チャ。

Lie Still Little Bottle / They Might Be Giants


The World's Address / They Might Be Giants


Hot Cha / They Might Be Giants


次に紹介するのはウクレレ・オーケストラっていう人たちなんですけどウクレレ奏者がたくさん集まってね、なんか出来たバンドなんですけど、バンドっていうのかな?中にはフライングVっちゅう形のギターなんだけどV字型になっててね、よくヘビメタ関係の人が使うやつですけども、そのフライングVの形のウクレレを持ってる人とかいて大笑いしてしまいました。えーじゃ今日はそのウクレレ・オーケストラを紹介したいと思います。ウクレレ・オーケストラでズバリ!サティスファクションでしょう!

Satisfaction / The Ukulele Orchestra of Great Britain

みんなは、えーとアジアの香りのするメロディとかリズムとかって好きですか?日本の沖縄の音楽とかはね、バリ島の音楽とすごい基本的な解釈は同じだといわれていますけれども僕らがほんとに生まれるずーっと前とかきっとみんな繋がっていたんだろうね。だってこういうこういう大陸的なものを聴くと懐かしいもんね。とりあえずそんな大陸的なやつを2曲続けて聴いてください。ディック・リーでラサ・サヤン、ヴァン・ダイク・パークスでトーキョー・ローズ。

Rasa Sayang / Dick-Lee

Tokyo Rose / Van Dyke Parks

次はえーと映画音楽から2曲続けて聴いてもらいたいんですけれども、まずはじめにビートルジュースの中でかかるデイ・オーっていう曲なんですけども、この曲がかかるとみんな踊りだしてしまうっちゅう、まぁ観た人にしかわかんないかもしれないけど
すっごいおかしい瞬間があるのね。えーその、もう何十年も前にバナナ・ボートっていう曲名で大ヒットした曲で、きっとお父さんとかお母さんは懐かしがるんじゃないでしょうか?そして次が
ヘア・スプレーっていう、まぁちょっとひねくれた青春ダンスパーティモノなんですけども、全編ロックンロールが流れていてとってもチャーミングな映画です。機会があったら是非みてくださいね。それでは、ビートルジュースの中からデイ・オー、ヘアスプレーの中からタイトル曲でヘア・スプレー。

Day-O - The Banana Boat Song / Harry Belafonte


Hairspray / Rachel Sweet


えー今夜はどことなく抜けてて、でもなんか憎めないんだけど鋭いと思えば鋭い変な曲たちを聴いてもらいました。うん。それとお手紙どうもありがとね。すごく嬉しいです。ますますいい曲をかけなきゃ!という気にさせてくれるみんなが愛しいです。

えー何通か紹介しましょう。

「今晩は!布袋さん、といいつつ、翌日の朝かいているんですけれども、この放送を聴いている人は 洋楽をあんまり聴いていない人が多いそうで私もそうなので少しホッとしました。洋楽は嫌いじゃないけど、なんだかしんどくなってしまうのです。なぜでしょうね。だいたい外国からわざわざ入ってくるんだから素晴らしいものが多くて息抜きができないからでしょうか?でもこの放送はとても楽しく聴いています。 布袋さんと同じく90分という長さを感じません。どんな曲を聴いたあとでも布袋さんの落ち着いた声をきくとホッとします。だから私の願望としてはこのままでいてください。なんか軽っぽくなっちゃったら寂しいな。では、また!(では、また!)」

えーシロツメグサさんですね。軽っぽくならないようにがんばってんですけど、軽っぽくなったら注意してください。

えーと次は

「私は今日病院に行ってきました。膝悪いんです。ずっと病院にいっていなくて、 だから怒られました。すごい落ち込んでいます。また悪くなったらまた手術です。だからリハビリがんばらないといけない。私はなんでも三日坊主で、だからここで宣言させてください。私はがんばってよくなります。布袋さんやみんなに宣言したからにはがんばるぞ!」

これは膝が治ってほしい少女。がんばってください!

そしてですね、もう一通は三重県のタカクラさんからで「布袋さん、はじめまして。私はいま刹那さで押しつぶされそうな状態でしっかりしゃな!となかなかうまくいかずウルウルした毎日を送っています。そんな私を遠いところから見守って励ましてくれるのはムーン…そう月なのです。真夜中にただぼーっと月明かりを見ているだけで涙はこぼれるけど 心がなんか軽くなってしまいます。このことを友達に話したら、それちょっと危ないんとちゃう?言われてしまったけれども月とか星とかってなんか大きなパワーを感じてしまうのって私だけなのかな?(いやいやとんでもない!僕もそうです。)そこで是非お願いがあります。月明かりにピッタリなナンバーを涙ポロポロでいいですから聴かせてください。」

そう!僕も凄い月が好きでね。ルナティック・パワーっていうんですか、なんか月から発せられるパワーにはすごい魅力を感じてしまいます。 というわけで再来週あたりね月モノ特集をやろうかなと思っているですけれども、なんか月に思い入れあったりとか、この曲ききたい、 月に関係ある曲とかあったら葉書をたくさん送ってください。

なぜ再来週かといいますとですね、来週は みんなから呼んでほしいという声がすごい多い相棒の吉川くんを呼んでツアーのこととか、コンプレックスのこととか、まぁ吉川のこととか喋りながらコンプレックス特集をやろうと思っています。是非楽しみにしていてほしいと思います。

いやーでも早いね、1時間半。うーん。でも来週も会う約束をしているようなものだからまた1週間がんばれそうです。みんなもホントに体に気をつけて元気でいてほしいと思います。はい。

それでは最後の曲になってしまいましたけれども、今日はプリンスのウェン・トゥー・アー・イン・ラブという曲を聴きながらお別れしたいと思います。 それでは、よい夢を、おやすみー!

When 2 R In Love / Prince









ぴあミュージックコレクション「布袋寅泰のRadio Pleasure Box」巻末の1990年5月17日OAリストには、最後に放送されたプリンスの楽曲の記載がありません。また曲名やアーティスト名の誤植もありますので当記事を参考にしてください。

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